その瞬間・・・耐えられなくなって、泣いた。
大好きでたまらない・・・だからこそ、いつまでたってもそのGUCCI様の”匠の技”の素晴らしさを、私は満足に撮ることは叶わなかったのかもしれない。何よりも、実物が凄すぎるんだから。
[追記:5月31日]
昨日5月30日は、私の誕生日でした。同期の女の子5人に祝ってもらいました♪
では、TEAM GUCCI Special Missionと銘打って美保での話を書こうと思います。
美保基地航空祭前日は、雲ひとつ無いのに、黄砂がひどすぎて視程はかなり悪く、西風かなり強かった一日でした。なんとかお昼すぎの少しの時間、予行が行われました。そして最後かもしれないナイフエッジは後ろ側から見ました。スパッと垂直に、ナイフの刃を立てて引きぬくようなナイフエッジは、鮮明に記憶に残りました。
そして当日の朝。
去年とはうってかわって青空。黄砂の影響が少しばかり残り、白みがかってはいるものの、空は前日よりはずっと澄んでいました。
0830、開門。さすがに5番機前は距離的にも無理かもしれないと言いつつ、諦めきれず駆け出してしまう。でも逆風で足がとられそうになる・・・美保のエプロンは横に長く、まだ"5"の尾翼は遥か遠い。荒い息のままエプロンに一歩足を踏み入れる。強い風に髪がバサバサになって、それをかきあげてふと顔を上げると・・・
目の前には、青い展示服。そして髪を振り乱して到達した私に、ちょっとびっくりされたみたいな笑顔。私もあまりのことに、言葉を失った。まさか。この広いエプロンで、朝一番に。
そう!「あっ・・・おはようございます!」と、軽く敬礼しながら笑顔を向けてくださったのは、なんと、GUCCI様、川口3佐その人だったんです。
嬉しくて、せっかくのチャンスだったのに、「ぜーはー・・・ちょ、ちょっと5番機前取りに行ってきます!」と、GUCCI様への挨拶もそこそこに5番機前に突進して行った私は相当のアホなのかもしれない(笑)
朝っぱらから、幸せに一人浸ってました。いろんな意味で美保は「節目」になると分かっていたから、辛いという気持ちが大きかった。悲しくても、これが最後だと・・・自分はその瞬間、どんな行動を撮りうるのだろうかと何度想像したか分からない。でもこんな素敵なシチュエーションは想定出来るはずもなく(笑)なぜかその朝の一件で、この美保も思いっきり楽しもうと心の切り替えができたのかもしれない。あの時のGUCCI様の笑顔のおかげですね☆

この角度がめちゃんこカッコイイと思うのです。
そして手がめちゃんこ綺麗だと思うのです。

私が見ることができる、最後のGUCCI様のウォークダウン。
The simmer of the airが聞こえて、泣けてきてカメラ下ろしそうになるのをけいらちゃんに「今は、まだ泣いちゃダメ!」といわれて我に返る。戦友殿、助けてくれてありがとね。

私はもう、5番機前でウォークダウンを撮ることは二度とないと思います。
美保では、最高のGUCCI様の凛々しい御姿を見届けられたと思っています。

インバーテッド&コンティニュアスロール

バーティカルクライムロール

ハーフスローロール

もちろん、編隊系も。ってことでデルタループ。
デルタロール、デルタループ、ボントン・・・と来ればその後はもちろん"匠の技"バーティカルキューバン8!とうとう・・・綺麗な青空の下で見れた!感無量です(松島も静浜も、微妙に曇ってて、その美しい滑らかな曲線を見れてもその感動を画像に残せなかったんです)
ボントンの直後、デルタ隊形から軽やかに離脱する5番機。最高の舞台を選ぶが如く会場正面にやってきた5番機が描き出した8の字は、まさに今年の最高傑作。

あまりにも滑らかで、テンポが良くて、あっという間に第1区分は終わってしまいました。
着陸からウォークバックまでは泣かずにすみました。ライトスタッフのエンドタイトルが流れたら、泣くかもしれないと思っていたけれど・・・素晴らしいフライトだったからこそ、感動して涙も引っ込んだのかも。
そして、GUCCI様のこの立ち上がる時のビシッと整えられた手!最高にカッコイイんです。更に、一呼吸分、この体勢で止めてから、機体から降りられます。そこがまた、整っていて綺麗で大好きでした。

最後の最後まで、指先まで整えた・・・まさに侍の表情なのです。

ああ、この場面を見れるのもこれが最後。
リードソロの”匠の技”、素晴らしかったです。
最後の敬礼は、陽炎と警備の人で半分ぐらい隠れちゃいました。
でもその指先まで『気』がいきわたったような敬礼は見届けることができました。
そのあとコッソリ泣いてたのを知ってたのはけいらちゃんだけかもね・・・(笑)
私にとって、ブルーインパルス=GUCCI様であり、5番機もまたGUCCI様以外は今まで想像すらできませんでした。正直、5番機ファンなのかといわれれば、私は『それは少し違う』と答えると思います。2005年8月の松島の航空祭で、私の心を惹き付けたのは、「GUCCI様が操縦している、リードソロ5番機」でした。どちらかが違っていれば、このような思いを抱くこともなく、この両方の組み合わせがなければ、私は今ここまでブルーインパルスの演技を覚えたり、必死になって航空祭に行きまくる事も無かったのかもしれません。
ブルーインパルスは常に輝き、常に美しく、また素晴らしい演技を披露し、感動を与えてくれます。しかし、その漠然とした「美しい」と思う気持ちに、一本の確固たる「応援したい!」という芯を私の心に与えたのが川口3佐であり、そのGUCCI様が操縦されている華麗なる5番機という存在だったんだと思います。それぐらい、一瞬で大好きになったんです。
初めて松島でGUCCI様にサインをもらった時、私の中のブルーインパルスのパイロット像が崩れました。まさか自分が、パイロットのファンになるなんて、思ってもみなかった。まさに”武士道”!凛とした表情と、渋かっこよくて、素晴らしいソロのフライトをするこの目の前のパイロットさん・・・最初は名前も知らなくて、サインをもらったときも「ご、5番機さんですか!?5番機のソロ、素敵でした!」とありえない事を言ってたりしたけれど、それでもやっぱり私はひと目でファンになったんですね。
そして、去年の辛かった時期も、人生の転機があった時も、私はGUCCI様の素晴らしい5番機のフライトを見上げることで何度も救われました。
また、私は、この2年弱の間、5番機を撮りに出かけるたびにたくさんの航空ファンの方に出会い、またたくさんの方に助けられました。普通に生活していれば絶対に出会うことの無かったはずのこの「出会い」という貴重な体験も、私にとっての宝物です。
もちろん川口3佐のブルーインパルスでの任期はまだ7月末まで続きます・・・ブルーの間も、その後も、この美しい青い空を駆けてご活躍されることを1ファンとしてお祈りしています。
って、防府行くけどね。予行はちょっと屋外で雨降られたら大変そうなので本番だけ。
どうか去年のようなことが起こりませぬようにorz